2019年4月26日に就航したANAの新機材であるB787-10。2019年5月にこのB787-10のビジネスクラスに搭乗したのでレポートします。従来のBUSINESS STAGGEREDよりも濃いグレーのシートとなっており、全体的にシックで落ち着いた印象でした。それ以外は大きな変化はありませんが、ANA BUSINESS STAGGEREDはプライベート感もあり快適なシートでした。
フライト情報
搭乗年月 | 2019年5月 |
航空会社 | ANA |
フライト | NH802 シンガポール(SIN) → 東京/成田(NRT) |
機材 | B787-10 JA900A |
クラス | ビジネスクラス (ANA BUSINESS STAGGERED) |
運賃種別 | I (特典航空券) |
マイル | 積算対象外 |
FOP | 積算対象外 |
座席 | 9A |
チャンギ空港 シルバークリスラウンジ Terminal 2
スターアライアンスのビジネスクラス搭乗者は、チャンギ空港ではシンガポール航空のシルバークリスラウンジを使えます。
シルバークリスラウンジは、スターアライアンスゴールドやSFCでは利用できません。
シンガポール航空のお膝元の上位ラウンジを利用できるのは、まさにビジネスクラス以上の特権です。
特権とは言いつつも、深夜便出発前のピーク時間帯になると混雑するため、全く落ち着きません。デカイ声で電話する外国人や泣き叫ぶ子供などもいるため、はっきり言って不快なラウンジとなります。
NH802はシンガポールを6:10に出発します。早朝ということもあり、チャンギ空港 Terminal 2のシルバークリスラウンジは空いていました。
中には、早朝便に備えてラウンジで一晩過ごしている人もいる様子でした。
早朝のためか、料理は準備中でした。左側のビュッフェコーナーのテーブルは、料理の器は置いてありますが、中身はほとんどが空っぽでした。
早朝のビュッフェは、壁側のビュッフェコーナーのテーブルに置いてある、サラダやパン、その他軽食類しかありませんでした。メニューは限定的で少し残念でした。
B787-10のANA BUSINESS STAGGERED
ANAのホームページから拝借したB787-10のシートマップです。前方のAコンパートメントがビジネスクラスとなっています。
B787-10は294席仕様です。B787-10より機体サイズが大きいB777-300ERよりも、座席数が多くなっています。
- B787-10:294席仕様
- B777-300ER:264席仕様、250席仕様、212席仕様
B787-9と比較すると、B787-10のビジネスクラスの座席数は減っています。その分エコノミークラスの座席数を増やすという、利用者からすると極悪戦略です。
- B787-10:ビジネスクラス 38席(294席仕様)
- B787-9:ビジネスクラス 40席(246席仕様)または48席(215席仕様)
エコノミークラスとか、詰め込みの奴隷船仕様じゃん。絶対乗りたくないわ・・・
エコノミークラスは極悪詰め込み奴隷船仕様ですが、今回はビジネスクラスなので関係ありません。
ANAのB787-10のANA BUSINESS STAGGEREDのシートです。シートを見た最初の印象は、「落ち着いた色合いになっているなぁ」でした。
従来のANA BUSINESS STAGGEREDのシートは、全体的に濃いブルーを基調にしています。新しいシートは濃いグレーのシートとなっており、全体的にシックで落ち着いた印象です。
一方で、落ち着いた雰囲気以外の点については、従来のANA BUSINESS STAGGEREDと違いを感じませんでした。
シートに座った状態から撮影したモニターやオットマンです。シートと同様に、オットマンやバゲージ収納スペースの生地はグレーに変わっています。
モニターのサイズは18インチのタッチパネル液晶であり、従来のANA BUSINESS STAGGEREDと同じです。
1番下はバゲージ収納スペースですが、靴の収納スペースと間違えてしまいそうです。
ANA BUSINESS STAGGEREDは小物入れが充実していません。手元に置いておきたい小物類は、こちらのサイドテーブルに置く必要があります。サイドテーブルの大きさは十分だと思います。
個人用コントローラーや電源周りも、従来のANA BUSINESS STAGGEREDのものと変わっていません。今となってはアナログ間のあるコントローラーだと思います。
タッチパネル液晶なので、コントローラーを使わなくても操作は可能です。ただ、座ったポジションからだとモニターに手が届かないため、コントローラーの出番もけっこうあります。
リクライニングのコントローラーも従来のANA BUSINESS STAGGEREDと変わっていません。こちらも、今となってはアナログ間のあるとコントローラーだと思います。
ANA BUSINESS STAGGEREDは、シートと肘掛けの間に収納スペースがありません。
シートと肘掛けの隙間を利用して、収納スペースを作り出しているシートも見かけますが、ANA BUSINESS STAGGEREDには一切ありません。小物類はサイドテーブルに置く必要がありますね。
シートベルトの金具部分は、若干小さくなっていました。
私が最後にANA BUSINESS STAGGEREDに搭乗したのは約1年前なので、覚えていないだけで元々小さい仕様だったかもしれませんが。
安全のしおりは、B787シリーズ共通になっているみたいで、表紙にはB787-10の記載がありません。イラストの機材はB787-8ですね。
離陸前のサービス
ウェルカムドリンクはシャンパンとオレンジジュースの2種類から選択可能です。今回はオレンジジュースを選択しました。脚付きのプラカップでの提供です。
たかがウェルカムドリンクですが、東南アジア線ではウェルカムペットボトルウォーターしか配られないJALよりも、ANAの方がサービスが上だと感じてしまいます。
離陸後のサービス
安定飛行に入りシートベルト着用サインが消えると、機内サービスがスタートします。
エンジンはRolls-Royce Trent 1000 TENです。「TEN」は「Thrust, Efficiency and New Technology」の頭文字であり、従来のTrent 1000の燃費や推力を向上させたモデルです。
最初はおしぼりのサービスです。熱々のおしぼりですね。オッサンなので顔を拭きます。男に生まれてよかったと思える瞬間ですね。
ドリンクにはかぼすジュースを頂きました。フライト前夜に、チャンギ空港のシルバークリスラウンジでシャンパンをガブ飲みしたため、お酒控えたフライトです。
機内食
機内食は洋食と和食から選択可能です。海外発のフライトの和食は期待できないと思い、今回は洋食を選びました。
シンガポール発の洋食は、リージェント・シンガポールのレストラン「バジリコ」とコラボレーションしたイタリア料理です。
- モッツァレラチーズ
- ポークハム
- マッシュルームのオムレツ オニオンのキャラメリゼ添え
- クロワッサン
- ケーキブレッド
- フルーツ
- ヨーグルト
てっきりコース形式の機内食かと思いきや、ワンプレートでの提供でした。
「朝食だし仕方ないかな」といった感じです。
それにしても、ビジネスクラスの機内食として見ると、随分とシンプルで残念な感じの機内食に見えてしまいます。
この残念な感じは身に覚えがあります。そうです、ちょうど1年前に搭乗した、深夜便の羽田→香港の機内食と重なります。
このオムレツ、厚みもあり美味しかったです。
最近何回か搭乗したJALクアラルンプール→成田(JL724)のエコノミークラスでは、朝食に毎回オムレツが出ています。このオムレツは薄っぺらい感じで、美味しいとは言えません。
エコノミークラスと比較するのはフェアではない気もしますが、今回のオムレツは美味しかったです。
クロワッサンやケーキブレッドの味は普通です。
デザートはカットフルーツとヨーグルトです。メインのオムレツ以外は、あまり手が込んでいない印象を受けます。個人的には、アイスクリームではない点が残念でした。
一通りの機内食が完了すると、ペットボトルの水を渡されました。
機内の様子
延長されたB787-10のAコンパートメントは、ANA BUSINESS STAGGEREDで埋め尽くされています。B787-10のローンチカスタマーであるシンガポール航空も、Aコンはスタッガードのビジネスクラスだったので、似たような仕様になっています。
あと、NH802は外国人が多い印象でした。チャンギ空港のゲート前の待合室では、自分の周りはほとんど外国人でした。成田到着は14時台。欧米に乗り継ぐ人や、夜から日本観光をしたい外国人にとっては、使い勝手の良いフライトなんだと思います。
また、国内で発券するとANAのチケットは高めですが、欧米発券のアジア行きのチケットは割安なチケットが出ることも多く、利用している人が多いのかもしれません。
ラバトリー
ラバトリーに置いてあるアメニティーは、歯ブラシセット、フェイス&ボディーシート、マウスウォッシュの3点です。
いつものラバトリーと違うなと思ったら、ダークな木目調の壁になっていました。
機内エンターテイメントシステム
機内エンターテイメントシステムは、B787-10から刷新されているそうです。
機内エンターテイメントシステムの準備のため、安定飛行に入ってから15分程度は機内エンターテイメントやコントローラ類を利用できないとのアナウンスがありました。まだシステム的に安定していないのかもしれません。
敢然消灯したタイミングで写真を撮影しているため周りは真っ暗ですが、グラフィカルなデザインになっています。
メニューによっては、まだ準備中のコンテンツもありました。コンテンツはまだ完成形ではなさそうですね。
ヘッドフォンはノイズキャンセリング風なヘッドフォンです。つまりは、普通のヘッドフォンです。
着陸前の軽食
着陸の1.5時間前になると、機内は少し明るくなり、ここから着陸前のサービスが開始されました。CAさんの話では、着陸の1.5時間前が軽食のラストオーダーになるそうです。
日本時間の12:15、お昼時間帯なので軽くお腹が空いてきます。
このタイミングでそらとんをオーダーしました。そらとんをオーダーしている人は、何名か見かけました。準備には20〜30分程度かかるとのことでした。
食後は、アミューズで口の中をリフレッシュします。
それにしても、座りっぱなしの機内で食べたり飲んだり。しかもラーメンまで食べるとなると、確実に太りますね。
最後に
エコノミーやプレエコの様子はわかりませんが、B787-10のビジネスクラスの機内は、全体的に落ち着いた雰囲気になったと思います。
一方で、新仕様のビジネスクラスとは言え、従来のANA BUSINESS STAGGEREDからの大きなアップグレードは無く、マイナーアップデートと言った感じでした。無理してB787-10を選ぶ必要は無いと思いました。
機内エンターテインメントシステムもバージョンアップされており、CAさんから感想を聞かれました。シートなどのハード面の快適性は従来と変わっていません。目に見えて変わったのは、エンターテインメントシステムのソフト面。この使用感がANAとしては気になるのかも知れませんね。
私個人としては、東南アジア線のビジネスクラスは、このところJAL便の搭乗が続いていました。機内食をはじめとしたサービスでは、JALよりもANAの方が充実している印象です。
まぁ、朝食は残念な感じではありましたが。
東南アジア線のビジネスクラスであれば、ANAに寄せたいと思えるフライトでした。
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