ANAでは、毎年1月から12月に獲得したプレミアムポイント(以下、PP)の数に応じて、翌年度のステイタスが決定します。一定以上のPPを獲得すると「プレミアムメンバーサービス」として、ステイタス毎のサービスを受けることができます。
50,000PPを獲得するとプラチナステイタスとなり、一般会員やブロンズステイタスには無い様々なサービスを受けることができます。
ただし、ステイタスの有効期間は4月〜翌年3月末まで。ステイタスを継続するためには、毎年PPを貯める必要があります。
プラチナステイタスを獲得すると、SUPERFLYERS CARD(以下、SFC)というクレジットカードに入会する資格を得られます。SFCに入会すると、毎年50,000PPを獲得しなくても、クレジットカードを保持している限り、プレミアムメンバーサービスを受けることが可能になります。
SFCの取得を目的として飛行機に乗りまくることを「マイル修行」とか「SFC修行」などと呼ばれていますよね。
世間的には、プラチナステイタスとSFCのサービスは同等といわれています。
しかし、本当に同等なのでしょうか?
厳密には、プラチナステイタスとSFCのサービスでは、多少の違いがあります。人によっては、この多少の違いが大きな違いになるかもしれません。
今回は、様々なサービスのうち、個人的な経験から本当にメリットと感じるサービスをピックアプして、SFCとプラチナステイタスを比較してみたいと思います。
SFCとプラチナステイタスを比較した背景
ここ最近は年末に近づくと、考えることがあります。来年の修行はどうしようかなぁと。
完全に私ゴトですが、2015年にSFC修行しており、既にSFCを取得済み。ですが、2017年は何となくプラチナ修行をしてしまいました。
一度でも上級会員になったことがあると、ステイタス落ちしたくないという思いが出てくるんですよね。少なくとも自分は。
しかし、自分みたいな普通のサラリーマンかつ平凡な陸マイラーは、普通に生活していてもステイタスを維持するだけのPPは貯まりません。
そこで修行する訳ですが、毎年修行するのは家計的にもマズイ訳です。それに、毎年修行してステイタスを維持しても、いつかは必ずステイタス落ちします。
どうせステイタス落ちするのであれば、毎年修行してステイタス維持するのは、かなり考えものです。
修行をするかどうか判断するには、修行コストに見合ったメリットがないといけません。自分を納得させ、修行の禁断症状に打ち勝つために、SFCとプラチナの比較をすることにしました。
SFCとプラチナステイタスの比較
SFCとプラチナステイタスで比較してみます。SFCを持っている以上、プロンズのメリットは無いので、ここでは割愛します。
赤字:SFCとプラチナステイタスで異なるサービス
サービス一覧 | ||
---|---|---|
プレミアムメンバー専用サービスデスク | 〇 | 〇 |
ラウンジのご利用(ANA SUITE LOUNGE) | - | - |
ラウンジのご利用(ANA LOUNGE) | 〇 | 〇 |
コンシェルジュサービス | - | - |
座席クラスのアップグレード | 〇 | 〇 |
プレミアムエコノミーへのご変更 | 〇 | 〇 |
国内線予約の先行受付 | - | 〇 |
国内線座席指定の優先 | 〇 | 〇 |
ご予約時の空席待ちの優先 | 〇 | 〇 |
特典航空券の優先 | 〇 国際線のみ | 〇 国際線のみ |
国際線手数料の免除 | - | - |
優先チェックインカウンター | 〇 | 〇 |
手荷物受け取りの優先 | 〇 | 〇 |
手荷物許容量のご優待 | 〇 | 〇 |
専用保安検査場のご利用 | 〇 | 〇 |
優先搭乗のご案内 | 〇 | 〇 |
空港での空席待ちの優先お取り扱い | 〇 | 〇 |
マイカー・バレーのご優待(成田空港) | 〇 | 〇 |
羽田空港駐車場の優先予約 | 〇 | 〇 |
香港国際空港の優先レーン | 〇 | 〇 |
アップグレードポイント | 〇 4pt | 〇 8-40pt |
フライトボーナスマイル | 〇 40% | 〇 90-105% |
ANAゴールドカード / ANAカード プレミアム特別ボーナスマイル | - | 〇 |
マイルの有効期限の延長 | - | - |
マイルからANA SKY コインへ特別倍率で交換 | 〇 1.0-1.6倍 | 〇 1.0-1.7倍 |
アップグレードポイントからANA SKY コインへの交換 | 〇 | 〇 |
IHG・ANA・ホテルズグループジャパンでのご優待 | 〇 | 〇 |
ANAマイレージクラブ Financial Pass Visaデビットカード ATMの出金手数料無料 | - | 〇 |
オリジナルネームタグ | 〇 | - |
150,000プレミアムポイント限定特典ネームタグ・バゲージタグ | - | - |
80,000プレミアムポイント限定特典「ANA SUITE LOUNGE」ご利用券 | - | 〇 |
「ダイヤモンドサービス」メンバー限定選択式特典 | - | - |
プレミアムメンバー限定ANAセレクション | 〇 | 〇 |
ライフスタイルマガジン | 〇 | 〇 |
ダイアリー・カレンダーのプレゼント | 〇 | 〇 |
メリットと感じる7つのサービス
SFCとプラチナステイタスのサービスは、表にまとめた通りですが、何に価値を見出すかは人それぞれですよね。実際に私がメリットと感じるサービスは以下の通りです。
- ラウンジのご利用(ANA LOUNGE)
- 座席クラスのアップグレード
- プレミアムエコノミーへのご変更
- 専用保安検査場のご利用
- 優先搭乗のご案内
- アップグレードポイント
- フライトボーナスマイル
それぞれのサービスについて、チェックしていきましょう。
SFCとプラチナステイタスで同等のサービス
上記でピックアップしたメリットと感じるサービス(黄色セル)のうち、SFCとプラチナステイタスで同等のサービスを見ていきます。
ラウンジのご利用(ANA LOUNGE)
SFCとプラチナステイタスで、利用できるラウンジに違いはなく、ANAラウンジを利用できます。また、スター アライアンス加盟航空会社運航便の搭乗時にも、航空会社のラウンジを利用できます。
ラウンジのメリットは絶大です。特に国際線だと、フライトよりもかなり前にチェックインして、空港で待つことになりますよね。この様な場合でも、ラウンジ入って、食事したりコーヒーを飲んだりして、時間を潰す事が可能です。しかも無料で。
SFCを取得する前は、ラウンジなんて全く興味無かったのですが、最近はラウンジを利用したいがため、何時間も前にチェックインする様になってしまいました。
座席クラスのアップグレード
アップグレードポイントの利用で、国内線(ANAグループ運航便)はプレミアムクラスへ、国際線(ANAグループ運航便・ユナイテッド航空運航便)はビジネスクラス、ファーストクラスへのアップグレードができます。
国内線
国内線の場合、予約クラスに関係無く、フライト当日にプレミアムクラスに空席があれば、アップグレード可能です。多くの路線でプレミアムクラスが設定されているため、利用しやすいですね。
アップグレードに必要なアップブレードポイントは、一律4ポイントです。
国際線
国際線の場合、アップグレード可能な予約クラスが決まっています。
検索で出てくる一番安い運賃だと、基本的にアップグレード対象外。上位の予約クラスで購入する必要があるため、それなりにコストがかかります。
国内線と比較すると、コスト面でアップグレードは敷居は格段に高いです。そのため、プライベートでは国際線のアップグレードをしたことがありません。
急な出張でフライトの直前に予約すると、上位の予約クラスしか空いていない事があり、この様な場合は、アップグレードポイントでアップグレードした事がありますね。
もっとも直前に予約すると、アップグレード空席待ちになるがあり、アップグレードの失敗したこともあります。
プレミアムエコノミーへのご変更
ANA国際線で、チェックインまでに空席がある場合に限り、エコノミーからプレミアムエコノミーにアップグレード可能です。ポイントは、アップグレード対象外の予約クラスでもOKなこと。一番安い割引運賃でもアップグレード可能です。
国際線は出発の24時間前からチェックイン可能。先着順ですので、24時間前になったら速攻でアップグレードしないと埋まってしまう可能性があります。
アップグレードできたらラッキーくらいの感覚ですね。
優先チェックインカウンター
日本でも海外でも、ステイタスに合わせてプレミアムメンバー優先のチェックインカウンターがあります。
- 国内線
- ANA PREMIUM CHECK-IN
- 国際線
- ビジネスクラスチェックインカウンター
- 「スター アライアンス・ゴールド」のサインが表示されている優先チェックインカウンターリスト
優先チェックインカウンターは、いつも利用しています。
エコノミークラスのチェックインカウンターは、長蛇の列になっている事が多いです。
特に東南アジアや中国に行くと長蛇の列になっていることが多く、中にはスーツケースを開けて何かしている輩もいて、イライラ度MAXになります。
優先チェックインカウンターを利用すると、ほとんど並ぶことなくチェックインすることができ、精神衛生的にも良いですね。
手荷物受け取りの優先
ANAグループ運航便、およびスターアライアンス加盟航空会社を利用の際、預け荷物に優先タグを付けてくれます。到着後は、優先的に荷物が出てきます。
早く荷物が出てくることに越したことはありませんね。
ですが、一番最初に出てくるのは「FIRST CLASS」タグが付いている、ファーストクラスの乗客やダイヤモンドメンバーの荷物。
SFC会員、プラチナメンバー、スターアライアンスゴールドメンバーはその次。しかも結構な人数がいるので、荷物が出てくるまで、そこそこ待ちます。
自分の場合は、プライオリティタグが付いている自分の荷物をみて、自己満足しているだけです。
専用保安検査場のご利用
専用保安検査場を利用することで、スムーズに保安検査を受けることができます。
ただ、国内線だと並んでいる場合もあります。むしろ通常の保安検査場の方が空いている場合もあります。
国際線(羽田空港、成田空港)でもいつも利用していますが、待ち時間はほぼゼロです。(時間帯にもよるので一概には言えませんが)
また、スターアライアンス加盟航空会社運航便に搭乗する場合、世界各地の空港できます。
https://www.staralliance.com/ja/gold-track
優先搭乗のご案内
中には、「優先搭乗なんてして意味あるの?」とか「狭い機内に早く入って何が良いの?」と思う方もいるかと思います。私も最初はそうで、最後の方に搭乗するようにしてました。ですが、最近は優先搭乗をしてます。
優先搭乗は、手荷物が多いか大きいときにメリットがあります。自分の座席近くの棚に、確実に荷物を収納できるので。
普通に搭乗すると、既に棚がいっぱいになっていて、
- 座席から離れたところに収納する
- CAさんに渡してどこかに収納してもらう
ことになります。こうなると、
- フライト中にちょっと荷物を出したい
- 到着時に早く機内から出たい
というときに、思うようにいきません。
「終電間際で早く出たいのに、荷物が離れたところにある。しかも通路は、我先に立ち上がった乗客で埋め尽くされていて、荷物を取りに行けない。」
とかね。特に中国線に搭乗すると、もうカオス状態です。
あとは、最後の方で搭乗しても、結局通路が詰まっていて待たされるんですよね。通路で待つくらいなら、早く搭乗して、席に着いてマッタリしている方が良いです。
SFCとプラチナステイタスの大きな違い
メリットと感じるサービス(黄色セル)のうち、以下の点については、SFCとプラチナステイタスで大きな違いです。
フライトボーナスマイル
フライトボーナスマイルの積算率は、SFCとプラチナステイタスで倍以上違います。
- プラチナメンバー
- ステイタス1年目:95%
- ステイタス継続2年目以上:105%
- SFC
- 40%
積算率だけで見ると大きな違いですが、マイルであれば、ポイントサイトで十分貯めることが可能です。
ポイントサイトを利用すれば、18,000マイル/月を貯めることが可能ですので、ボーナスマイルなど誤差ですね。
そのため、SFCのデメリットには成り得ないでしょう。
アップグレードポイント
アップグレードは、ANA便搭乗分のプレミアムポイントに応じて付与されます。
- SFC:4ポイント
- プラチナメンバー(50,000PPを全てANA便で貯めた場合):20ポイント
プラチナステイタスで、かつSFCを持っている場合は、SFCの4ポイントも付与されます。
国内線であればアップグレードポイントを使いやすいですが、別にアップグレードポイントを使わなくても9,000円でアップグレード可能。
短い国内線なら普通席で十分ですし、プレミアムクラスに乗りたくなったら、自腹でアップグレードすれば良いかな。
国際線でのアップグレードは、上位の予約クラスで購入する必要があり、アップグレードの敷居は格段に高い。
スカイコインに交換しても、1ポイント = 1,000スカイコイン。
うーん、利用面を考慮すると、決定的なプラチナステイタスのメリットとは言い難いですね。
結論:SFCを取得すればプラチナステイタスと同等のメリットを受けられる
メリットと感じるサービスや、SFCとプラチナステイタスの大きな違いについて、見てきました。
アップグレードポイントとフライトボーナスマイルにおいてはプラチナステイタスの方が優っていますね。ですが、決定的なプラチナステイタスのメリットとは言い難いこともわかりました。
あとは、ANAのWEBサイトには記載されていませんが、国際線エコノミーの非常口席の指定は、私にとって大きな違いです。
ですが、非常口席のためだけに修行しても、コストメリットが得られない。
結論としては、SFCを取得すればプラチナステイタスと同等のサービスを受けられると言えます。
といわけで、今後はプラチナ修行はしません。しかし、ダイヤモンドの誘惑はまだ残っていますので、また今度比較してみようと思います。
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